【音源付き】birdの/ɚː/の発音解説:r-colored vowel は巻き舌でも反り舌でもOK

らいおん

苦手な人も多い /ɚː/ /ɚ/ の発音を解説するよ!
/ɚː/ /ɚ/ はアメリカ英語特有の音で重要な音だね!

ひよこ

この記事を書いた人

Salah

コロンビア大学 大学院卒

英語教授法修士

ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

― IELTS Speaking 8.5
― 英検1級
― 英語発音テストEPT100点(満点)

初TOEIC600点、英語初級からあらゆる英語学習法を試し英語力を向上させてきました。

 

/ɚː/ の発音

まずは、/ɚː/ の発音のポイントを確認しましょう。

/ɚː/ の発音

bird, purse, nurse, turn, hurt

発音ポイント
  • /ɚː/ はアメリカ英語特有の音です。
  • 舌の左右のへりを上の奥歯に当てて舌全体を後ろに引きながら、「アー」と「ウー」の中間のこもった音を発音しましょう。
  • 口をあまり開かず半開きにし、舌先は口腔内のどこにも接触しません

/ɚː/ は強勢のある音節に現れ、/ɚ/ は強勢のない音節に現れます。

MEMO
ɚ の記号は hooked schwa(かぎつきシュワー)と呼ばれます。
注意
/ɚː/ が /əːr/ と表記されている辞書もあるので注意しましょう。bird などの /ɚː/ は 二重母音ではないので、/əːr/ は音声学的には不適当で、/ɚː/ を使用するのが好ましいとされています。

/ɚː/ を含む語の発音

  • bird
  • purse
  • nurse

/ɚː/ のみ発音

  • /ɚː/

 

 

/ɚ/ の発音

/ɚ/ の発音

percent, better, butter, master, letter

発音ポイント
  • /ɚː/ が短くなった弱母音です。
  • 舌の位置、音質は /ɚː/ と同じと考えてOKです。
  • /ɚ/ は弱母音なので短く発音されますが、語末ではしばしば長めになります。

らいおん

本ページ最後の弱母音のセクションも参考にしてね!
注意
/ɚ/ が /ər/ と表記されている辞書もあるので注意しましょう。

/ɚ/ を含む語の発音

  • percent
  • better

/ɚ/ のみ発音

  • /ɚ/

らいおん

ここまで理解して、発音練習すれば十分だけど、ここから先はもう少し深堀りしてみよう!
ここまででも難しく感じている人はここから先はまだ読まなくても大丈夫だよ!

ひよこ

 

r-colored vowel( Rの音色を帯びた母音)

/ɚ/ は r-colored vowelRの音色を帯びた母音)とも呼ばれます。一般に「アメリカ英語では bird の R音が特徴的だよね」などと言う時のR音はこの r-colored vowel のことを指します。

基本的に /ɚ/ = r-colored vowel と考えればOKです。

らいおん

hooked schwa(かぎつきシュワー)は ɚ の発音記号自体のことを呼ぶ時も多いけど、まずはいろいろな呼び方があることを知っておけば十分だよ!
r-colored vowel という名称がピンとこない場合は「アメリカ英語のこもるRの音」などと考えればまずはOKだよ!

ひよこ

 

r-colored vowel( Rの音色を帯びた母音)/ɚ/ の発音の仕方は2種類ある

一般的には、アメリカ英語のR音 = 巻き舌のRと考えている人も多いかもしれませんね。しかし、実際はいろいろな調音の仕方があり、必ずしも巻き舌であるわけではありません

/ɚː/ /ɚ/ は発音の仕方が大きく分けて2種類があります。下の図は研究社新英和大辞典のウェブ発音解説にある図ですが、分かりやすいのでまずこちらを見てください。両者は聞いてもほとんど区別がつかない同じ音色を持ちます。

  • (a) もり上がり型 = bunched r
  • (b) 反り型(巻き舌)= retroflex r
あわせて読みたい
新英和大辞典についてはぜひこちらの記事もご覧ください。 【無料閲覧可】新英和大辞典 第6版のウェブ発音解説がおすすめ

 

もり上がり型:bunched r 

まず (a) の図の方ですが、舌の真ん中部分が盛り上がる(= bunched )ことで r が発音されます。

 

反り型(巻き舌)= retroflex r

次は (b) の図です。舌が反り返ることによって r が発音されるので反り型(巻き舌)= retroflex r と言われます。

 

もり上がり型 (bunched r) と反り型(巻き舌)(retroflex r) はどちらが一般的か

もり上がり型 (bunched r) と反り型(巻き舌)(retroflex r) はどちらがネイティブスピーカにとって一般的なのでしょうか?

新装版 英語音声学入門(竹林滋・斎藤弘子共著)」には

米音全体ではもり上がり舌を使う人の方が多い

と書いてあります。

created by Rinker
¥2,640 (2021/03/05 07:35:42時点 Amazon調べ-詳細)

 

また、「ビジュアル音声学:川原繁人著(三省堂)」によると、以下のような非常に興味深い解説があります。

NOTE
英語の r の調音は大きく分けて2種類、細かい違いを含めると10種類以上もあると言われている…

 

最近の研究では驚くべきことに、同じ家族でも同じ方法で r を発音するとは限らず、同じ話者であっても、時に「反り舌の r」、時に「盛り上がり舌の r」を使うことがあると報告されている。

 

また、r を発音する時に唇を丸める話者もいる

 

こういった状況をふまえて…自分にとって楽な調音の仕方を選べば良い。r に関しては「唯一正解の調音の仕方」は存在しないのである。厳密に言えば、たくさんの正解が存在する

created by Rinker
¥2,530 (2021/03/05 16:32:11時点 Amazon調べ-詳細)

 

らいおん

いろんな発音の仕方があるんだね!
大きく2種類あるのは分かったけどいまいち図だけだとピンとこないな。

ひよこ

らいおん

そんな時は以下のサイトでMRIでの発音動画がおすすめだよ!

 

三省堂「ビジュアル音声学」の補足資料:MRIによる発音動画

三省堂「ビジュアル音声学」の補足サイトがありMRIによる発音動画が見れます。

上から2番目の dirt の発音のMRIをぜひ見てみてください。

動画なので、どのように舌が動き、/ɚː/ の音が調音されているかが可視化できます

参考 補足資料サイト三省堂「ビジュアル音声学」

 

母音解説

あわせて読みたい
アメリカ英語の全母音は以下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください。 lasting influence母音の発音解説:アメリカ英語の全母音

 

おすすめの発音本・音声学書籍35冊紹介・レビューは以下の記事にまとめています。

発音本【中・上級者向け35冊】英語の発音向上におすすめの本・音声学書籍・参考書レビュー