サラ
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シェイクスピア時代のイギリス英語R音を発音していた:rhotic
この記事ではシェイクスピア時代のイギリス英語について簡単に触れたいと思います。実はシェイクスピア時代のイギリス英語では ears などのR音を発音していたことをご存知でしょうか?
このようにR音を発音することを rhotic であると言いますが、このことについて軽くお話します。
R音を発音すること = rhotic
イギリス英語発音の大きな特徴として、 「アメリカ英語にあるR音の発音がない」と捉えている学習者も多いと思います。つまり、arm などのR音を発音しない、という特徴です。
一般的なアメリカ英語では arm, farm, bird などでR音を発音します。このようなR音を発音することを前述の通り
アクセントと呼びます。
名詞は rhoticity で「R音性」と呼ばれることもあります。
R音を発音しないこと = non-rhotic
一方で、現在のイギリス南部標準発音のように arm などのR音を発音しないことを
アクセントと呼びます。
イギリス英語と言えば、non-rhotic なので、歴史的に見てもイギリス英語ではずっとR音は発音しないことが当たり前だ、と考えている学習者も多いと思います。
しかし、本記事冒頭で言ったように、イギリス英語がRで音なしの non-rhotic になったのは実は比較的最近のことで、シェイクスピア時代のイギリス英語ではR音は普通に発音されていました。
このことに関して、以下のツイート内にあるPractical English Phonetics and Phonologyの記述にある通り、David Crystalという言語学者の功績が大きいと言われています。
イギリス英語の発音の変遷って面白い🇬🇧
シェイクスピア時代はイギリス英語でも ears とかで rhotic=R音ありだったんですよね
(イギリス英語といっても色々ではありますが)最近の発音の変化もアメリカ英語よりもイギリス英語の方が発音変化は大きいと感じる🇬🇧🇺🇸 pic.twitter.com/YsWJEfk3MU
— サラ🌐 「Q&Aサイトから読むアメリカのリアル」発売しました!🇺🇸 (@salah_backpack) November 23, 2021
David CrystalによるOP (Original Pronunciation)の解説YouTube
Crystal 本人による以下の解説動画が素晴らしいので紹介します。なお、シェイクスピア時代の当時の発音は OP (Original Pronunciation)と呼ばれます。
Original Pronunciationでないと全体の3分の2の韻が成立しない
David Crystalによると、現代英語の発音でShakespeareの劇をやろうとすると、OPで本来韻を踏んでいたであろう3分の2の韻は失われてしまうそうです。
つまり、
ということが分かったそうです。
シェイクスピア時代のイギリス英語はむしろ現代アメリカ英語に近い?
以下のnote記事にもシェイクスピア時代のイギリス英語の特徴の一部の解説がありますが、この時代のイギリス英語はむしろ現代アメリカ英語の特徴に近いという見方もできます。
安井稔『英語教育の中の英語学』大修館書店では、
と述べているそうです。
Shakespeare時代のOriginal Pronunciationの推定と再建
最後に、「いかにして Shakespeare の発音を推定するか」という記事によるとShakespeare時代ののオリジナル発音を推定(または再建) しようとする時、頼りになるのは
- 綴字 (spelling)
- 脚韻 (rhyme)
- 地口 (pun)
- 同時代の作家のコメント
という4つの要素だそうです。
サラ
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