英語のイントネーションのピッチ変化:4つの基本トーンからセンテンスまでを可視化

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この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

Praatでイントネーションを可視化する

この記事では僕が普段から Praat というソフトを使って分析しているピッチ変化音声+映像の動画でまとめていきます。ぜひイントネーション学習の参考にしてください。

各イントネーションの詳しい解説は今後YouTubeや本サイトの他の記事などで補足していきます。よって本記事では各イントネーション用語の解説などはまだありませんんでご了承ください。また、以下のイントネーション学習全体像の動画もぜひご覧ください。

 

英語のイントネーション4つの基本トーン

まずはじめに、英語のイントネーション4つの基本トーン=音調(tone)を見てみましょう。イントネーションはとにもかくにもこの4つのトーンがスタートです。

  1. 下降調(fall)➘
  2. 上昇調(rise)➚
  3. 下降上昇調(fall-rise)➘➚
  4. 平坦調(level)→

 

下降調(fall)・上昇調(rise)・下降上昇調(fall-rise)・平坦調(level)

英語のイントネーション4つの基本トーン=音調(tone)John という1音節単語で見てみましょう。

NOTE
  1. John ➘
  2. John ➚
  3. John ➘➚
  4. John →

John

 

 

4つのトーンを2語で

次は2語でイントネーション4つの基本トーンを見てみましょう。Excuse me という2語です。

NOTE
  1. Excuse me ➘
  2. Excuse me ➚
  3. Excuse me ➘➚
  4. Excuse me →

Excuse me

 

下降調・上昇調・下降上昇調・平坦調が苦手な場合

下降調・上昇調・下降上昇調・平坦調の読み分けが苦手な場合、「da(ダー)」など英単語でなくどんな語でもいいので短めの語で練習してみるのもおすすめです。

NOTE
  1. da➘
  2. da➚
  3. da ➘➚
  4. da →

da

 

 

センテンスレベルでのピッチの下降や上昇

ここまでで、1音節の John  や2語の Excuse me などの上昇や下降を見てきましたが次は、センテンスレベルでピッチが上昇したり下降する様子も見てみましょう。

以下の Why didn’t you ask him to go? という文を以下の図のイントネーションで読んでみます。これは東後勝明先生の「英会話のリズムとイントネーション」にあった文とイントネーションにあったものです。

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NOTE

以下の Why didn’t you ask him to go? は、 Why が最も低いところから始まり、段々と声が高くなり、go が最も目立って一気に高いところから下がるイントネーションです。

Why didn’t you ask him to go?

 

上昇調の尾部(tail):核の後も上昇し続ける例

次は、上昇調の尾部(tail)が上昇し続ける例を expectation という単語で見てみましょう。

NOTE
第3音節の -ta- が核です。-ta- から上がり始め、それ以降も最後の音節の -tion までピッチが上昇し続けているのが分かるかと思います。

expectation

 

ピッチ変化の前のステップダウンの様子

次は先ほどの expectation と同じく上昇調ですが、今度は核の前でステップダウンしている例を見てみましょう。

NOTE
核の前にある第3音節の -si- で少しステップダウンしているのが見て取れます。

impossibility

 

ステップダウンとは

以下、JC Wells著の「英語のイントネーション」(研究社)を引用します。Coming Soon

 

 

上昇調の尾部(tail):核の後も上昇した後、高いレベルでとどまる例

次は同じく上昇調ですが、今度は上昇調の尾部(tail)が核の後も上昇し、その後高いレベルでとどまる例を単語レベルで見てみましょう。 ability という単語で見てみます。

NOTE
核である第2音節から第3音節の -bili- で上昇し、その後最後の音節の -ty でもピッチが高いところで平坦になっています。

ability

 

高上昇調:核の後も上昇

次は同じく上昇調ですが、今度は先ほどの ability よりの声を高くした高上昇調の例を見てみましょう。

NOTE
核である第2音節の -bil- 以降も(上昇幅は大きくないものの)上昇し続けているのか見れ取れます。 

ability

 

NOTE
前例の ability とほぼ同じですが、尾部が少しだけ異なる様子を見てみます。個人的には以下の音源の方が尾部を高い声で読んだつもりでしたがあまり大きな変化は見て取れませんでした。

ability

 

 

2語で上昇調:核の後も上昇

次は2語で上昇調を見てみましょう。2語でも先ほどの ability と理屈は同じです。

NOTE
核は最初の Ka- で、その後の -tie と did の2音節が尾部です。第1音節の Ka- の核以降も上昇し続けているのか見れ取れます。 

Katie did?

 

上昇調の尾部(tail):核の後も上昇した後、高いレベルでとどまる例

次は同じく上昇調ですが、今度は上昇調の長い尾部(tail)の例を見てみましょう。 核の後も上昇し、その後高いレベルでとどまるability 様子を数語の長い尾部で見てみます。

NOTE
核は最初の Ka- で、その後の -tie と did の2音節が尾部です。第1音節の Ka- の核以降も上昇していますが、その後ピッチが高いところで平坦になっています。

Katie went to the department store?

 

 

ドレミファソラシドのPraatでのピッチ変化

番外編ですが、今度はドレミファソラシドのピッチ変化をPraatにかけたのが以下の動画です。

NOTE
1番高い音域までいくと下に機械的に下がるようです。

ドレミファソラシド

 

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