イギリス英語発音での flap t

この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

flap t はアメリカ英語に顕著な特徴

アメリカ英語では water → wader, Betty → Beddy のように 「t が速い d 音になる」= flap t がかなり頻繁に起こります。

flap t は「弾音」「有声の t 」などと呼ばれたりもしますが、本サイトでは flap と呼んできました。この記事では「イギリス英語における flap t」について簡単に書きたいと思います。

 

イギリス英語の flap t

「flap t」 は特にアメリカ英語に顕著な特徴(オーストラリア英語などでも起こります)と言われています。このことから、「イギリス英語では基本的に flap t が起こらない」と考えてる人も多いかもしれません。

ところが、最近はイギリス英語でも特に高頻度語・表現でしばしば flap t が起こるようです。

 

高頻度表現におけるイギリス英語での flap t

普段から僕がTwitterなどで紹介している Practical English Phonetics and Phonology(Beverley Collins, Inger M. Mees, Paul Carley著)によると、

Alveolar /t d/ have a wide range of variation in GB. Intervocalic /t/ (i.e. /t/ between vowels) is frequently realised as a very brief stop which can be shown as [t̬], e.g. British, pretty, better, but I, that I, get it. This effect is known as t-voicing and is particularly common in high-frequency words and expressions.

The brevity of the tap and the shortening vowel serve to maintain the contrast with /d/. Unlike American English, there is no tendency to neutralise the contrast /t ― d/ in pairs such as clouted ― clouded, writing ― riding, waiter ― wader.

という記述があります。

 

t-voicing = t の有声化

上記引用によると、

  • British
  • pretty
  • better
  • but I
  • that I
  • get it

などの高頻度語や表現で t-voicing = t の有声化(つまり flap t)が起こるようです。

 

/t ― d/の対立は残す:waiter ― wader

ただし、アメリカ英語と違って/t ― d/の対立をなくしてしまうことはあまり起こらないようです。アメリカ英語ではwaiter ― wader は同じ発音になると言えますが、イギリス英語では

  • clouted ― clouded
  • writing ― riding
  • waiter ― wader

などでは flap t はあまり起こらないようです。

 

flap t のYouTube動画

アメリカ英語発音において超重要な flap t についてはYouTube動画で解説していますのでぜひこちらもご覧ください。

 

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