日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの聞き方がいちばんよくわかるリスニングの教科書:靜 哲人先生著

日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの聞き方がいちばんよくわかるリスニングの教科書:靜 哲人先生著

こちらの靜 哲人先生の新著ですが、リンキングの練習から始まり、多くの英語学習者が聞き取りに苦労する音の練習が非常に豊富に載っています。

 

映画の字幕を見ながら聞くのはリスニング力向上に効果があるか

エクササイズが豊富なのと解説が分かりやすいのがこの本の特徴ですが、この本のP.141に非常によいコラムがあったので紹介します。

映画の字幕を見ながら聞くのはリスニング力向上に効果があるか

…シャワーを浴びるように英語音声を聞き続けるだけでリスニング力が向上することはありません。意味がわからない音声を何千回聞いても意味がわかるようにはなりませんし、リスニング力も変化しません…リスニング力の上達のためには、「理解できるインプット」が不可欠なのです。

 

では、意味不明の音の連続を「理解できるインプット」に変えるための方法として字幕の利用はどうでしょうか?

 

映画やドラマの英語字幕は確かに「内容理解」の助けになります。しかしそこには落とし穴があります。字幕つきで音声を聞いても、リスニング力の向上にはなかなかつながらないのです。

 

なぜでしょうか?それは、聴覚情報(音声)と視覚情報(文字)が同時に提示されると視覚情報が勝ってしまうからです。つまり、字幕を目で追っていると実は音声が聞こえていないのに聞こえたと錯覚してしまうのです。

 

…かなりの部分が知覚の文字の助けによっているため純粋なリスニング力が鍛えられません。ある意味で…字幕はリスニング力向上の敵なのです。

 

この字幕の特性を承知した上でリスニング力向上に役立てるにはどうすれば良いのでしょう?正解は使われている単語や表現を字幕に頼っていったん理解したら、今度は字幕を消した状態で再度聞くことです。純粋な音声だけを聞いて「聞き取れる!」と言う体験を繰り返していけば、新しい場面で英語音声を聞いても、それが最初から聞き取れる度合いが高まっていきます。

らいおん

まさにその通りだね!
字幕を見ながら洋画などを見ているとついついリスニング力のトレーニングをしている気にもなるけど、視覚情報が勝ってしまうね!

ひよこ

 

日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる発音の教科書:靜 哲人先生著

靜 哲人先生著の本は、「日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる発音の教科書」も非常に分かりやすく書かれており、特に発音初級〜中級者にはおすすめです。

 

さらに発音の知識を深めよう!

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