らいおん
ひよこ
サラ
目次:見たい場所へジャンプ
happilyの副詞の意味は?
まず、以下の2文の意味を考えてみましょう。
- He did not die happily.
- Happily, he did not die.
らいおん
文修飾の副詞か否かで意味が変わる
上記2つの例文はオーレックス英和辞典にも載っているものですが、オーレックスの訳を引用すると、
- He did not die happily.
- Happily, he did not die.
- 彼は幸福な死に方をしなかった。
- 運よく彼は死ななかった。
となります。かなり意味が違ってくることが分かります。オーレックスでは happily の2つの意味について次のように記載しています。
幸せ(そう)に; 楽しく、愉快に
例:He did not die happily. 彼は幸福な死に方をしなかった。
*この happily は動詞 die のみを修飾する。
ひよこ
[文修飾] 幸いにも、運良く(fortunately)
例:Happily, he did not die. 運良く彼は死ななかった。
*この happily は文全体を修飾し、話者の判断を表す。
文修飾の副詞とは
2の happily は文全体を修飾する「文修飾の副詞」と呼ばれる副詞です。上記2つの例文は実はけっこう有名な例文ですが、「文修飾の副詞」は意識してないと意味を読み違えてしまいます。
文修飾の副詞の例
例えば、以下のような語が文修飾の副詞です。
- clearly 「明らかに」
- obviously 「明らかに」
- evidently 「どうやら〜らしい」
- surprisingly 「驚くことに」
- certainly 「たしかに」
- possibly 「ひょっとすると」
- basically 「基本的には」
- fortunately 「幸いなことに」
- wisely 「賢明にも」
- frankly 「率直に言うと」
辞書で文修飾の副詞を確認する癖をつける
最初に紹介した happily の2つの例のような違いが生まれる副詞ばかりではないですが、辞書で副詞を調べる時は「文修飾の副詞」という表記があるかに注目しましょう。
ひよこ
文修飾の副詞の位置
文修飾の副詞の位置について、ロイヤル英文法では以下のように説明しています。
一般には文頭がふつうだが、文中にも文尾にも置くことができる。
definitely, possibly, probably などは文中がふつう
文修飾の副詞の位置によってフォーマル度が変わることも
なお、「表現のための実践ロイヤル英文法」では、文修飾の副詞を置く位置によって「フォーマル度」が変わることがある、と説明しています。以下の3文を比較してみましょう。
- Fortunately, human beings are not thoughtless. [ふつうの言い方]
- Human beings are not, fortunately, thoughtless. [多少洗練された言い方]
- Human beings are not thoughtless, fortunately. [くだけた言い方]
訳:幸いなことに、人間はそんなに無分別ではない。
文修飾の副詞の機能
なお、ロイヤル英文法では文修飾の副詞は以下の2つの機能があると解説しています。この分類を覚えていなくても大丈夫ですが、知識として知っておきましょう。
- 文の内容に対する話し手の判断・評価を表すもの
- 話し手の話し方を形容するもの
文の内容に対する話し手の判断・評価を表す文修飾の副詞
文の内容に対する話し手の判断・評価を表す文修飾の副詞は
- certainly 「たしかに」
- possibly 「ひょっとすると」
- basically 「基本的には」
- fortunately 「幸いなことに」
- wisely 「賢明にも」
などがあります。
話し手の話し方を形容する文修飾の副詞
話し手の話し方を形容する文修飾の副詞は
- frankly 「率直に言うと」
- strictly 「厳密に言えば」
- briefly 「手短に言えば」
などがあります。
文修飾の副詞についてのツイート
辞書で副詞を調べる時、「文修飾の副詞」という表記がある時は注意が必要🖌
例えばオーレックス英和辞典のhappilyには以下の2例文があります
(1) Happily, he did not die.
(2) He did not die happily.1は文全体を修飾する「文修飾の副詞」
2は動詞dieを修飾していて意味が変わります
— サラ🌐 著書「Q&Aサイトから読むアメリカのリアル」発売しました!🇺🇸 (@salah_backpack) July 24, 2021
さらに知識を深めよう!
「Writing」カテゴリで間違えやすい表現をまだまだ紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。