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「接続詞 that」は文頭で使える?:〜ということ
この記事では、「〜ということ」を意味する「名詞節を導く接続詞 that」が文頭に使われるかについて解説します。
まずは、理解度チェックということで、以下の英文をご覧ください。次の1と2の英文の that はどちらが一般的でしょうか?またニュアンスの違いなどはあるのでしょうか?
1 That you study French now is a good idea.
2 It is a good idea that you study French now.
訳:あなたが今フランス語を学ぶというのはいい考えだ。
ひよこ
文頭の名詞節を導く接続詞 that:語法・ルール
まず結論から言うと、上記1と2の英文では、
2 It is a good idea that you study French now.
という、仮主語 it を立てた2番の方が一般的
と言えます。
その理由について、以下の3つのポイントを本記事では解説していきます。
- 文頭で主語になる節を導き「〜ということ」を意味する that よりも、形式主語 it を立てるのがふつう。
- that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い。
- 文頭で主語になる節を導く that は「かたい」ニュアンスで、形式主語 it を立てる方が口語では好まれる。
らいおん
thatが主語節を導く用法は形式主語 it を立てるのがふつう
名詞節を導いて「〜ということ」を意味する that について、まずはジーニアス英和辞典の解説を見てみましょう。
ジーニアス英和辞典では本記事冒頭で提示した、
1 That you study French now is a good idea.
2 It is a good idea that you study French now.
訳:あなたが今フランス語を学ぶというのはいい考えだ。
というの2つの英文を例に挙げ、
形式主語 it を用いた2番の用法が一般的
としています。
同様に、オーレックス英和辞典でも、
主語節を導く用法は「形式主語 it を立てるのがふつう」
とあり、
That you would fail was certain from the beginning.
訳:君が失敗することは最初から分かっていた。
という例を挙げ、
It was certain that…がふつう
と説明しています。
らいおん
that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い
さらに、ジーニアス英和辞典では
that節が先頭にくる場合、単独でなく the fact that の形になることが多い
として、
The fact that his son was a musician made him very proud.
訳:息子がミュージシャンなので彼は非常に鼻が高かった。
という例文を紹介しています。
ひよこ
主語になる文頭の接続詞 that のニュアンス
では、「主語になる文頭の接続詞 that」はどのようなニュアンスがあるのでしょうか?
これに関してウィズダム英和辞典では、
主語になる節を導き「〜ということ」を意味するthat =【かたく】
というラベルがあり、「かたいニュアンス」であることが分かります。また、
実際には The fact that… とすることが多い
としています。
らいおん
The fact that… 仮主語 it はどちらが普通?
さて、「The fact that…」と「仮主語 it」のどちらも可能、ということですが、ではどちらがより一般的なのでしょうか?
これについてウィズダム英和辞典では、
(The fact) that he admitted it surprised me.
訳:彼がそれを認めたことには驚いた。
という例を挙げ、
It surprised me that he admitted it. の方が普通
としています。
さらに、安井稔著「英文法総覧」P. 13には、
形式上の it を用いる構文と、that節をそのまま主語として用いる構文がともに可能である場合には、形式上の it を用いた構文の方が、一般に、より口語的である
という記述もあります。
ひよこ
that節を文頭に置くと長すぎて文の均衡が破れる
また、「英語では頭でっかちの文を嫌う」という説明を聞いたことがある人も多いと思います。
綿貫 陽・マーク・ピーターセン著「表現のための実践ロイヤル英文法」P. 232では、
「that節が主語の場合」について、that節を文頭に置くと長すぎて文の均衡を破ることが多く、その時には形式主語の it を代わりに文頭に置くのがふつう
とあり、
That he is Japanese doesn’t matter.
→ It doesn’t matter that he is Japanese.
訳:彼が日本人であるということは問題ではない。
* it を用いる形では、口語では that を省くことが多い。
という説明があります。
疑問文の場合には必ず形式主語 it を用いる
最後に、その他の that の注意点について簡単に確認しましょう。
オーレックス英和辞典では、
疑問文の場合には必ず形式主語 it を用いる
として、
Is it true that you are going abroad?
訳:あなたが外国に行くというのは本当ですか?
という英文を紹介しています。また、
seem, appear などの動詞と使われる場合には必ず it を用いる
ということにも注意しましょう。
It seems/appears that he has forgotten the appointment.
訳:彼は約束を忘れたらしい。
まとめ:文頭の接続詞that
お疲れ様でした。以下で本記事のポイントをもう1度確認しましょう。
- 文頭で主語になる節を導き「〜ということ」を意味する that よりも、形式主語 it を立てるのがふつう。
- that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い。
- 文頭で主語になる節を導く that は「かたい」ニュアンスで、形式主語 it を立てる方が口語では好まれる。
接続詞 that の省略
最後に、関連してですが、I think that…や I’m sure that…のような「接続詞 that の省略」についても、以下の記事で整理しておきましょう。
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