【文頭で使える?】主語になる接続詞 thatの語法:名詞節を導くthat(〜ということ)

らいおん

「〜ということ」を意味する文頭の接続詞 thatはあまり使われないと聞いたことがあるけど、実際はどうなのかな?
「文頭の接続詞 that」について、語法とニュアンスを解説するよ!

ひよこ

この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

「接続詞 that」は文頭で使える?:〜ということ

この記事では、「〜ということ」を意味する「名詞節を導く接続詞 that」が文頭に使われるかについて解説します。

まずは、理解度チェックということで、以下の英文をご覧ください。次の1と2の英文の that はどちらが一般的でしょうか?またニュアンスの違いなどはあるのでしょうか?

1 That you study French now is a good idea. 

 

2 It is a good idea that you study French now.

 

訳:あなたが今フランス語を学ぶというのはいい考えだ。

パッと見、どちらもOKな気もするけど実際はどうなのかな?

ひよこ

 

文頭の名詞節を導く接続詞 that:語法・ルール

まず結論から言うと、上記1と2の英文では、

2 It is a good idea that you study French now.

 

という、仮主語 it を立てた2番の方が一般的

と言えます。

その理由について、以下の3つのポイントを本記事では解説していきます。

文頭の接続詞that
  1. 文頭で主語になる節を導き「〜ということ」を意味する that よりも、形式主語 it を立てるのがふつう
  2. that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い
  3. 文頭で主語になる節を導く that は「かたい」ニュアンスで、形式主語 it を立てる方が口語では好まれる

らいおん

順番に見ていこう!

 

thatが主語節を導く用法は形式主語 it を立てるのがふつう

名詞節を導いて「〜ということ」を意味する that について、まずはジーニアス英和辞典の解説を見てみましょう。

ジーニアス英和辞典では本記事冒頭で提示した、

1 That you study French now is a good idea.

 

2 It is a good idea that you study French now.

 

訳:あなたが今フランス語を学ぶというのはいい考えだ。

というの2つの英文を例に挙げ、

形式主語 it を用いた2番の用法が一般的

としています。

 

同様に、オーレックス英和辞典でも、

主語節を導く用法は「形式主語 it を立てるのがふつう

とあり、

That you would fail was certain from the beginning.

 

訳:君が失敗することは最初から分かっていた。

という例を挙げ、

It was certain thatがふつう

と説明しています。

らいおん

形式主語 it を立てる方が一般的ということだね!
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that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い

さらに、ジーニアス英和辞典では

that節が先頭にくる場合、単独でなく the fact that の形になることが多い

として、

The fact that his son was a musician made him very proud. 

 

訳:息子がミュージシャンなので彼は非常に鼻が高かった。

という例文を紹介しています。

たしかに、That… よりも The fact that の方がより使われている気もするね!

ひよこ

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主語になる文頭の接続詞 that のニュアンス

では、「主語になる文頭の接続詞 that」はどのようなニュアンスがあるのでしょうか?

これに関してウィズダム英和辞典では、

主語になる節を導き「〜ということ」を意味するthat =【かたく】

というラベルがあり、「かたいニュアンス」であることが分かります。また、

実際には The fact that… とすることが多い

としています。

らいおん

やはり The fact that… の方が使われることが多いようだね!

 

The fact that… 仮主語 it はどちらが普通?

さて、「The fact that…」と「仮主語 it」のどちらも可能、ということですが、ではどちらがより一般的なのでしょうか?

これについてウィズダム英和辞典では、

(The fact) that he admitted it surprised me. 

 

訳:彼がそれを認めたことには驚いた。

という例を挙げ、

It surprised me that he admitted it. の方が普通

としています。

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さらに、安井稔著「英文法総覧」P. 13には、

形式上の it を用いる構文と、that節をそのまま主語として用いる構文がともに可能である場合には、形式上の it を用いた構文の方が、一般に、より口語的である

という記述もあります。

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やはり形式上の it を用いた構文の方が特に口語ではより一般的と言えそうだね! 

ひよこ

 

that節を文頭に置くと長すぎて文の均衡が破れる

また、「英語では頭でっかちの文を嫌う」という説明を聞いたことがある人も多いと思います。

綿貫 陽・マーク・ピーターセン著「表現のための実践ロイヤル英文法」P. 232では、

「that節が主語の場合」について、that節を文頭に置くと長すぎて文の均衡を破ることが多く、その時には形式主語の it を代わりに文頭に置くのがふつう

とあり、

That he is Japanese doesn’t matter.

 

It doesn’t matter that he is Japanese.

 

訳:彼が日本人であるということは問題ではない。

 

it を用いる形では、口語では that を省くことが多い

という説明があります。

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疑問文の場合には必ず形式主語 it を用いる

最後に、その他の that の注意点について簡単に確認しましょう。

オーレックス英和辞典では、

疑問文の場合には必ず形式主語 it を用いる

として、

Is it true that you are going abroad?

 

訳:あなたが外国に行くというのは本当ですか?

という英文を紹介しています。また、

seem, appear などの動詞と使われる場合には必ず it を用いる

ということにも注意しましょう。

It seems/appears that he has forgotten the appointment.

 

訳:彼は約束を忘れたらしい。

 

まとめ:文頭の接続詞that

お疲れ様でした。以下で本記事のポイントをもう1度確認しましょう。

文頭の接続詞that
  1. 文頭で主語になる節を導き「〜ということ」を意味する that よりも、形式主語 it を立てるのがふつう
  2. that節が文頭にくる場合、the fact that になることも多い
  3. 文頭で主語になる節を導く that は「かたい」ニュアンスで、形式主語 it を立てる方が口語では好まれる

 

接続詞 that の省略

最後に、関連してですが、I think that…や I’m sure that…のような「接続詞 that の省略」についても、以下の記事で整理しておきましょう。

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どんな時に that節が省略され、どんな時に省略されないかの「傾向」があるかは上級者でもほとんど意識していない人も多い印象です。以下の記事で詳しく解説していますのでぜひこちらもご覧ください。 【接続詞thatの省略】どんな時に省略する?ルールと傾向

 

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