らいおん
ひよこ
サラ
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a name と an aim は全く同じ発音か?
突然ですが、
- a name
- an aim
を発音してみてください。
これはスムーズに読みたい場合、1, 2ともに同じような発音になりますね。
つまり、むりやりカタカナで表すなら「アネイム」となります。しかし、1, 2は “完全に” 同じ発音なのでしょうか?
らいおん
軽く参考にする、くらいで気軽に読んでね!
ひよこ
a name と an aim:全く同じ発音にはならない?
結論から言うと、a name と an aim は “完全に” 同じ発音にはならないようです。
この記事では、竹林滋・斎藤弘子著「英語音声学入門」 P.145-146の「語間の音連続」というセクションの「/n/ + 母音」(いわゆる n linking)の解説を紹介したいと思います。
「英語音声学入門」では、
…後続語の方がアクセントが強いときには先行語の語末の /n/ は完全に後続音の語頭の母音と一体になって後の音節へ移ってしまうわけではない。
a name では /n/ からアクセントが強くなるのに対して、 an aim では /eɪ/ からアクセントが強くなる。
と説明されています。
つまり、「切れ目」が感じられるところに点を入れて区切るとするなら、以下のようにイメージできます。「切れ目」が感じられる場所と /n/ の位置に注目してください。(アクセント記号は含めていません)
- a name → /ə·neɪm/
- an aim → /ən·eɪm/
らいおん
また、「初級英語音声学入門」にもこのことに関する記述があり、
a name → /ə néɪm/
an aim → /ən éɪm/
という区別を英語話者はしている。…
とありました。
a notion と an ocean は同じ発音か?
また「英語音声学入門」では、別の例として a notion vs an ocean も挙げています。
a notion と an ocean の場合も同様で、前者では /n/ から、後者では /oʊ/ からアクセントが強くなる
つまり、先ほど同様「切れ目」が感じられるところに点を入れて区切るなら、以下のようにイメージできると思います。n の位置にも注目しましょう。
- a notion → /ə·noʊʃn/
- an ocean → /ən·oʊʃn/
サラ
らいおん
ひよこ
後続音が「アクセントが弱い人称代名詞」などのときの音連続
「英語音声学入門」では以下の注意点も説明されています。
しかし後続音が it のようにアクセントが弱い人称代名詞などのときは /n/ と後続の母音は完全に一体となる
とあり、open it では /nɪ/ のつながり具合は bonnet の /nɪ/ と同じ発音である、と説明されています。
らいおん
その他の子音との音連続
/n/ 以外の子音でも同じように考えることができるようです。
…/n/ の場合と同様、後続語のアクセントが強いときには子音は完全には母音と密着して後の音節には移行しない。
take up /teɪkʌp/ では /ʌ/ からアクセントは強くなり、stop arguing /stɑpɑɚgjuɪŋ/ では /ɑɚ/ からアクセントが強くなる。
つまり、先ほどと同様、「切れ目」が感じられるところに点を入れて区切るなら、以下のようにイメージできます。
- take up → /teɪ·kʌp/ でなく /teɪk·ʌp/
- stop arguing → /stɑ·pɑɚgjuɪŋ/ でなく /stɑp·ɑɚgjuɪŋ/
また、先ほどの補足と同様、以下の補足もあります。
しかし、後続語が it のように弱いアクセントの語の場合はやはり子音と母音は完全に密着し、Take it. /teɪkɪt/ と ticket /tɪkɪt/ では /kɪ/ の結合は全く同じである。
ひよこ
また上記 stop arguing などの発音表記は原著の表記を採用。アクセント記号は省略しています。
look out がリンキングすると aspiration は起こる?:気音(帯気音)について
最後に、look out のような場合で、この2語がつながって読まれるとき、 /k/ は気音= aspiration を伴うのでしょうか?
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発音・音声学書籍リスト
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