【英語の名詞の単数形vs複数形】配分単数と配分複数について (distributive singular/ plural)

この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

主語が複数で、各自が1つずつ何かを持っている場合」の名詞

この記事では、

「主語が複数で、各自が1つずつ何かを持っている場合」の名詞

について簡単に整理します。

これだけではピンとこない人も多いと思うので、まずは以下の2文をご覧ください。1と2はどちらがより自然に感じますか?

1. All my neighbors have dogs.

 

2. All my neighbors have a dog.

 

日本語:私の近所の家はみんな犬を飼っている。

どちらでも良さそうな気がして迷うね!

ひよこ

 

可算名詞なら複数形にすればOK

以下、「表現のための実践ロイヤル英文法 」P.346を引用します。

主語が複数で、各自が1つずつ何かを持っているという場合は、一般には可算名詞なら複数形にする

 

ただし、特に誤解される恐れがなければ、単数でも複数でもどちらでもよい

らいおん

一般には可算名詞なら複数形ということだね!

よって、「表現のための実践ロイヤル英文法 」では、複数形 dogs を使った以下の文を紹介しています。

1 All my neighbors have dogs.

 

私の近所の家はみんな犬を飼っている。

 

各自が1つずつということを特に明示したければ単数形にする

さらに、「表現のための実践ロイヤル英文法 」では以下の記述もあり、

各自が1つずつということを特に明示したければ単数形にする。

次の例文を紹介しています。

At the end of the semester, students have to write a paper of 20 to 25 pages.

 

楽器の終わりに、生徒は20ないし25ページのレポートを書かなければならない。

 

each を使って意味を明確にすることもできる

ただし、「可算名詞なら複数形」を使っておけばよい、というのは意味的に曖昧であることも多く、それを防ぐために、「表現のための実践ロイヤル英文法 」では

each という語が役立つ

としています。

each を使えば先ほどの文は以下のように言うこともできます!

ひよこ

eachの例

  • Each of my neighbor has a dog.
  • each student has to write a paper… など

らいおん

詳しくは「表現のための実践ロイヤル英文法 」をご覧ください!
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主語が複数で、各自が1つずつ何かを持っている時の単数 vs 複数

次に、他の書籍の記述も少し紹介したいと思います。「徹底例解ロイヤル英文法」P. 726, 727を引用します。

主語が複数で、各自が1つずつ何かを持っている、などというような場合

 

たとえば、「生徒たちはみんな手をあげた」という文は2通りの言い方ができる。

a The students all raised their hand.

 

b The students all raised their hands.

「徹底例解ロイヤル英文法」では、a と b のどちらを用いるかは次のような3つの原則に従えばよい、とあります。P. 737を参考に整理します。

  1. 誤解が生じなければ単数・複数のいずれでもよい
  2. 単数を用いると意味がはっきりする場合は単数にする
  3. 慣用的な表現で単数が一般的のものは単数にする

らいおん

以下で順番に簡単に見ていこう!

 

原則1: 誤解が生じなければ単数・複数のいずれでもよい

「徹底例解ロイヤル英文法」では、

一般には複数の方が自然に感じられるため、複数にすることが多い

として、以下の例文を挙げています。

All participants in the race should give their name(s) to the starter.

 

競技参加者は全員発合係に名前を言わなくてはならない。

name でも names でもどちらでもOKだけど、複数形の names になることも多い、ということだね!

ひよこ


この原則によれば、先ほどの a と b では hand と hands のどちらでもよいものの、一般には複数にすることが多いようですので、英語学習者としては複数形 hands

b The students all raised their hands.

を使う方が無難かもしれません。

 

原則2: 単数を用いると意味がはっきりする場合は単数にする

次に、「徹底例解ロイヤル英文法」では以下の文を紹介しています。

Pupils were asked to name their favorite painter.

 

生徒たちは好きな画家の名を挙げるように言われた。

この文では painters でなく painter という単数を使用することで、

生徒1人につき、1人ずつの画家の名前であることをはっきりさせる

ことができるようです。

らいおん

単数を用いると意味がはっきりする場合は単数を使えばいいということだね!
本記前半で紹介した「表現のための実践ロイヤル英文法 」の At the end of the semester, students have to write a paper of 20 to 25 pages. という例文もこのパターンだね!

ひよこ

 

原則3: 慣用的な表現で単数が一般的のものは単数にする

ただし、熟語など慣用的な表現で、単数形を使用するのが一般的な時は、単数にしましょう。

We must keep in mind that money does not grow on tress.

 

金は木にならないことを心に留めておかなければならない。

らいおん

以上、「徹底例解ロイヤル英文法」の解説を紹介しました!
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配分単数・配分複数(distributive singular/plural)とは

さて、上記の知識だけでこのようなパターンの全ての単数 vs 複数の問題が解決すればいいのですが、なかなか一筋縄でいかないところもあります。

この記事で見てきた単数 vs 複数の概念について、

  • 配分単数(distributive singular)
  • 配分複数(distributive plural)

と呼ばれることがあります。

これに関しては、例えば安藤貞雄著「現代英文法講義」P. 689, 690などに説明がありますが、ちょっと上級者向けなのでなかなか理解するのが難しいところもあると感じます。興味がある方はこのP. 689, 690を見てみましょう。

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配分単数・配分複数(distributive singular/plural)について、また分かりやすい解説を見つけたらこの記事に追記したいと思います!

サラ

 

「their +名詞」や「our +名詞」では配分複数が多い?

最後に、以下のツイートもとても参考になるので紹介します。本記事でも同様の例をいくつか紹介しましたが、

  1. The students raised their hand.
  2. The students raised their hands.

においては、

特に「their +名詞」や「our +名詞」を使った表現では配分複数がよく使われる傾向が強い

ようです。

 

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