らいおん
英会話の時に、仮定法など”自分が苦手な文法”は間違えないように使用するのを避けてしまう、また、/l/や/r/など自分の”苦手な発音”が含まれている語も間違えないように避けてしまう、という経験はないかな?
この記事では第二言語習得論研究でも重要な項目であるavoidance = 回避について簡単に解説するよ!
ひよこ
この記事を書いた人
サラ
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異なる母語話者による関係詞の使用の研究:Schachter (1974)
さて、まずは以下の表を見てみましょう。これは第二言語習得研究ではかなり有名な異なる母語話者による自由英作文の中での「関係詞の使用」についての結果なのです。この表から何が読み取れるでしょうか?
NOTE
表:Schachter (1974)に基づく
― 第2言語習得と母語習得から「言葉の学び」を考える:和泉 伸一著より
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「誤用数」だけでなくどれだけ「使用数」があったかも重要
表だけ見ると、日本語母語話者の関係詞の誤用率は8%、中国語母語話者の関係詞誤用率は12%で、一見、”日本人や中国人は関係詞が得意”なように見えます。
しかし表をよく見ると、
ペルシャ語とアラビア語話者は誤用も多いが、正用も多く、全体の使用数は英語母語話者に迫っている
ということが読み取れます。
一方、
中国語と日本語の母語話者は誤用数は少ないが、正用数も少ない
ですね。つまり、日本人英語学習者は一見すると関係詞の誤りが少ないように見えるが全体の使用頻度が低い、ということになります。
SLAにおける avoidance 「回避」とは?
このように、学習者が特定の言語項目の使用をためらい、使用を避けることをSLA(Second Language Acquisition)と呼ばれる第二言語習得論研究では avoidance =「回避」 と呼びます。
らいおん
avoidance はいろいろな理由から起こりますが、このような概念があることを知っておくのは英語学習者としては非常に重要です!
自分が文法事項や発音などで何か「避けていることはないか」考えてみよう
文法でも発音でも、英語学習者なら誰でも avoidance はあるでしょう。例えば僕が代表を務めるオンライン英語スクールらいひよ®の生徒さんを見ていると、文法では仮定法を使用することを避けている人はかなり多いと感じますし、/l/ や /r/ などの苦手な発音を含む単語はスピーキングで避けている、ということも少なくないと思います。
自分で「避けている言語項目がある」と認識して、弱点を知っておくことは日々の学習において非常に重要です。
少しずつでもいいから、普段から自分が苦手な項目を強化するような学習やトレーニングを心がけよう!
ひよこ
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