らいおん
ひよこ
サラ
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「英語学習は早いほど良いのか」は言語習得に興味を持っている全ての人におすすめ
バトラー後藤裕子先生著の「英語学習は早いほど良いのか」はタイトルの通り「英語学習は早いほうが良いのか?」について書かれた本です。
「(日本にいる)子どもはどのように英語を学べばいいのだろう?」「理想的な早期英語教育とはなんだろう?」「子どものうちに早く英語を学ばないと習得できないのかな?」というような疑問を持っている方におすすめな本です。また、SLAに興味がある人が読んでも大変面白く読める1冊です。
らいおん
ひよこ
第二言語習得 SLA(Second Language Acquisition )とは
「第二言語習得」は Second Language Acquisition と呼ばれ、SLAと略されます。
ざっくり言うと、第二言語がどのように学ばれるのかを科学的に解明していくのがSLAです。
サラ
言語習得の「臨界期」とは?
「思春期を過ぎた子どもは英語を習得できない?」「子どものころに英語を学ばないと発音がネイティブレベルにならない」などというような話を誰でも一度は聞いたことがあると思います。
「英語学習は早いほど良いのか」では、いわゆる「言語習得の臨界期仮説」= 「人間を含む動物は概してある種の知識や技術を特定の期間に習得するように遺伝的にプログラムされているという仮説」について非常に詳しく解説されています。この仮説では、臨界期(Critical Periods)を過ぎると、その種の技術習得が困難または不可能になります。
臨界期研究は非常に複雑
しかし、臨界期研究は非常に複雑で、まだ結論が出ていないことも多いです。この「英語学習は早いほど良いのか」を読めば、言語習得がいかに複雑な現象で、英語学習は早ければ早いほうがいい、と一概に言えないことが分かると思います。
この本ほど臨界期のことを深堀りしている本もあまりありません。非常におすすめな一冊です。
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「英語学習は早いほど良いのか:バトラー後藤裕子著」の目次
参考までに目次を載せておきます。
- 逃したらもう終わり? ― 臨界期仮説を考える
- 母語の習得と年齢 ― ことばを学ぶ機会を奪われた子どもたち
- 第二言語習得にタイムリミットはあるか
- 習得年齢の右下がりの線 ― 先行研究の落とし穴
- 第二言語学習のサクセスストーリー
- 外国語学習における年齢の問題
- 早期英語教育を考える
「言語はどのように学ばれるか ― 外国語学習・教育に生かす第二言語習得論」もおすすめ
幼児期の言語学習に興味がある方は「言語はどのように学ばれるか ― 外国語学習・教育に生かす第二言語習得論」の第1章も分かりやすくておすすめです。
この本は世界中で定評を得ているSLA入門書で、最もよく読まれているSLA入門書の一つと言われています。
もっと簡単なSLA入門の本から始めたい人は「外国語学習に成功する人、しない人」と「外国語学習の科学」がおすすめ
ところで、もっと簡単なSLAの本から読み始めたい、という人もいるでしょう。そんあ方は以下の記事で解説した「外国語学習に成功する人、しない人」と「外国語学習の科学」がおすすめです。
「外国語学に成功する人、しない人」はおそらくSLA入門書の中で最も読みやすい本と言えます。「外国語学習の科学」はそれよりもちょこっとだけ詳しく解説してある本です。
第二言語習得研究(SLA)入門におすすめの本