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/uː/ と /ʊ/ の発音の違い・コツ:まずは要点これだけ
/uː/ の発音を含む語
/ʊ/ の発音を含む語
/uː/ と /ʊ/ の発音の違いですが、まずは結論から言ってしまいます。ポイントは以下の通りです。
- /uː/ は日本語の「ウー」に似ているが、舌と唇の筋肉が緊張する緊張母音 = tense vowel である。
- 日本語の「ウ」よりも唇を相当丸めてすぼめるつもりで発音する。
- /uː/ の方が /ʊ/ よりも唇の丸まりが強い。
らいおん
/uː/ はまずは意識してかなり大げさに唇をつきだして発音してみよう!
- /ʊ/ は舌と唇の筋肉に緊張を伴わない弛緩母音(しかん母音) = lax vowel である。
- 日本語の「ウ」と「オ」の中間程度の音質に相当する場合が多い。
- 日本語の「ウ」よりも唇の丸めがある。
- /ʊ/ の方が /uː/ よりも唇の丸まりが弱い。
/ʊ/ の方は、力まないで発音してみよう!
ひよこ
このように /uː/ と /ʊ/ の発音は長さの違いだけでなく音質も違います。
以下に異なる5冊の音声学書籍の解説を引用したので、それぞれの解説を比較してさらに理解を深めてみましょう。
らいおん
音声学書籍解説比較① 英語発音指導マニュアル:東後勝明
/uː/ の解説
/uː/ は日本語の「ウー」に似ているが、舌と唇の筋肉が緊張する緊張母音 = tense vowel である。舌は口腔内の奥で高い位置にある。
/ʊ/ の解説
他方、 /ʊ/ は舌と唇の筋肉に緊張を伴わない弛緩母音(しかん母音) = lax vowel である。
舌の位置は /uː/ よりもわずかながら下がり、日本語の「ウ」と「オ」の中間程度の音質に相当する場合が多い。
この tense / lax の相違によって、長さのみでなく、音質自体の差異が生じる点を十分に認識する必要がある。
音声学書籍解説比較② 初級英語音声学:竹林 滋, 斎藤 弘子, 清水 あつ子
/uː/ の解説
/uː/ は英語の母音の中で最も唇の丸めが強く、響きは重く暗い。
この点で日本語の「ウー」とは大きく異なる。発音する時は意識して唇を丸めて突き出すようにする。また、この母音は単に /ʊ/ を長くしたものではなく、 /ʊ/ よりもいっそう舌の位置が後ろ寄りで唇の丸めも強いため音色が異なる。
/ʊ/ の解説
/ʊ/ は緩んだ感じの多少唇の丸めを伴った母音である。 /ʊ/ は日本語の中で唯一唇の丸めを伴っている「オ」に近く聞こえることもある。
音声学書籍解説比較③ 日本人のための英語音声学レッスン:牧野武彦
/uː/ の解説
/uː/ の方は、日本語の「ウー」を唇を強く丸めて突き出して発音するようにする。
/ʊ/ の解説
/ʊ/ の方は、舌の位置が日本語の「ウ」と「オ」の中間で、/uː/ よりも円唇が弱いものの、むしろ「オ」の方が響きは近い。
音声学書籍解説比較④ 英語音声学入門:松坂ヒロシ
ひよこ
音声学書籍解説比較⑤ ファンダメンタル音声学:今井邦彦
/uː/ の解説
大いに気をつけるべきは唇の丸めである。 /uː/ の丸めは、/ʊ/ の場合より一層強い。最初は「唇が吹けるくらい」唇をすぼめるつもりでやってほしい。
/ʊ/ の解説
/ʊ/ は日本語の「ウ」とは舌の位置という点ではそう大きな違いがない。大いに違うのは /ʊ/ には強い唇の丸めがあるという点だ。
経験から言うと、「日本語の “オ” を発音するつもりで唇を丸くしなさい」と指示すると生徒の発音向上に効果があった。
らいおん
lax vowels vs tense vowels:違いは他の発音ペアにも
lax / tense の違いが分かると、他の音のペアの理解が深まります。
以下のペアは全て左が lax vowel で右が tense vowel です。
- /ʊ/ vs /uː/
- /ɪ/ vs /iː/
- /ɛ/ vs /eɪ/(の出だしの/e/音)
/ɪ/ vs /iː/ の発音の違いと /ɛ/ vs /eɪ/ の発音の違いは以下の記事で解説しています!
/iː/ と /ɪ/ の発音の違い・発音のコツ:音声学書籍を比較解説! /ɛ/ と /e/ ( /eɪ/ ) の発音の違い・発音のコツ:音声学書籍を比較解説!
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発音・音声学書籍リスト
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らいおん