【not A and Bとnot A or Bの違い・意味】全否定したい時の言い方

らいおん

「not A and B」と「not A or B」の違いについて解説するよ! 
「AもBも〜ない」と言いたい時はどう言えばいいのかな?上級者でも盲点な項目だからしっかり整理しておこう!

ひよこ

この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

AもBも〜ない:「not A and B」と「not A or B」の違いは?

まずは理解度チェックからいきましょう。「Johnはタバコも酒もやらない」と英語で言いたいとして、以下の1と2はどちらが自然な英語でしょうか?

1 John doesn’t smoke and drink.

2 John doesn’t smoke or drink.

らいおん

「AもBも〜ない」と言いたい時は、「not A and B」と「not A or B」のどちらを使えばいいのかな?
これについて、辞書などの解説をもとに整理してみるよ!

ひよこ

 

「AでもBでもない」を表すには not A or B を使う

まず、ウィズダム英和辞典第3版の解説を見てみると、

明確に「AでもBでもない」のようにAとBを同時に否定する場合は and ではなく or を用いる

とあり、本記事冒頭の

2 John doesn’t smoke or drink.

 

ジョンはタバコも酒もやらない。

の例文を挙げています。

つまり、「AもBも〜ない」は、「not A and B」でなく「not A or B」を使えばいいということだね! 

ひよこ

 

andはふつう否定文では用いない

同様に、オーレックス英和辞典第2版で and を引くと、「andと否定」という項目で、

  • andはふつう否定文では用いない
  • andで結んだ要素を否定する場合は通例「否定語+or(nor)」を用いる

という補足があり、やはり「AもBも〜ない」の否定文は、「not A and B」でなく「not A or B」を使えばいいことが分かります。

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not A, B, or C:AもBもCも〜ない

3つ以上の要素に対して「AもBもCも〜ない」と言いたいときも同様です。ジーニアス英和辞典第6版では、

I’m not free on Monday, Tuesday, or Wednesday.

 

月曜, 火曜, 水曜とも時間は取れません。

の文があり、この文で、

orの代わりにandを使う人もいるが避けた方が無難

と補足があります。

注意
ジーニアス英和辞典第6版にはさらなる補足もありますがここでは割愛します。
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orを用いた「not A or B」の否定文がふつう

ところで、本記事冒頭で紹介した 2 John doesn’t smoke or drink. のような文で、絶対に and が使えないというわけではありません

ウィズダム英和辞典では

≒ John doesn’t smoke and doesn’t drink.

 

または、 (ややかたく) John neither smokes nor drinks. でもOK

と補足されています。

らいおん

and doesn’t のようにすればOKということだね!
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ジーニアス英和辞典第6版では、

She doesn’t write novels or criticize poetry.

 

彼女は小説を書くことも詩を批評することもない。

という文を例に挙げ、

*She doesn’t write novels and she doesn’t criticize poetry.

 

ともいえるが, orを用いた否定文がふつう

という補足があります。

 

AとBの同時性・結びつきが強い時は not A and B も使われる

ただし、これらの文で and は絶対に否定文で使われず、「not A and B」という形にならないかというとそうではなく、オーレックス英和辞典では、「ただし次の場合は例外」として、以下の2つを挙げています。

  • (a): 同時に生起する2つの事柄を共に否定するとき
  • (b): andで結ばれた1組の事柄を否定するとき
  • (a)の例: I can’t speak and listen at the same time. 話すのと書くのは同時にはできない。
  • (b)の例: I don’t like bacon and eggs. ベーコンエッグは好きではない。*「ベーコンも卵も好きでない」というときは or か nor を用いる

つまり、「ベーコンも卵も好きでない」を表したいなら、「AもBも〜ない」ですので「not A or B」の形で

I don’t like bacon or eggs.

などと言えばよいということです。

 

飲酒運転が drink and drive の理由

最後に、「飲酒運転」というのを英語で表したい場合、いくつか言い方がありますが、

Don’t drink and drive.

 

お酒を飲んで運転をしてはだめです。

などと言うことができます。

これが not A and B の形で drink and drive となっているのは「drink = 飲む」と「drive = 運転する」の結びつき・同時性が強いためと言えそうです。

らいおん

Don’t drink or drive. だと、「お酒を飲むのも運転するのもだめ」?のように聞こえるかもしれないね!

 

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