【接続詞thatの省略】どんな時に省略する?ルールと傾向

らいおん

think that, say that, I’m sure that, I’m afraid that などの that は省略される傾向がある気がするけど、実際はどんな時に省略されるんだろう? 
接続詞 that がどんな時に省略されて、どんな時に省略されないかについて解説するよ! 

ひよこ

この記事を書いた人

サラ

英語ジム らいおんとひよこ®代表
・コロンビア大学 大学院卒:英語教授法修士
・ETS (Educational Testing Service) 米国本社の元問題作成者

 

I think thatなどの that の省略

この記事では、I think that…や I’m sure that…のような「接続詞 that の省略」について解説します。that の省略は「絶対」というルールがあるというよりも、

どんな時に省略され、どんな時に省略されないかの「傾向」がある

と言え、英語学習者はそのポイントを覚えておくことが重要です。以下の流れで解説していきます。

本記事の流れ

ステップ1
ウォームアップ
接続詞 that の省略の理解を確認
ステップ2
that省略の7つのポイント
英語学習者なら知っておきたい7つのポイントを整理します
ステップ3
thatが「省略されている時」vs「省略されていない時」のニュアンスの違い
省略するかしないかによってニュアンスはどう異なるかを理解しましょう
 
7つのポイントをしっかり理解しよう!

ひよこ

 

接続詞 that はどんな時に省略される?

まずは、理解度チェックということで、以下の2つの英文をご覧ください。次の1と2の英文の that は「省略する」のが一般的でしょうか?それとも「省略しない」のが普通でしょうか?

1 I was told that the problem was settled.

 

訳:その問題は解決済みだと聞いていた。

2 I told him yesterday that I was going home.

 

訳:帰郷するつもりだと昨日彼に言った。

パッと見、「省略してもよさそう」な気もするけど実際はどうなのかな?

ひよこ

 

接続詞 that の省略の見分け方:語法・ルール

「正解」や「間違い」などの「絶対」はないことを前提に、まず結論から言うと、

上記1と2の英文の that は両方とも「thatを省略しない」のが普通

と言えます。

らいおん

意外に感じている人も多いかもしれないね!「省略してもよいのでは?」と回答した読者も多いのではないでしょうか?

 

ではどのように見分ければよいか、ですが、本記事では以下の7つのポイントを解説していきたいと思います。

以下が接続詞 that の省略の全体像です。

接続詞thatの省略の見分け方:傾向とルール
  1. 話し言葉で高頻度語の動詞・形容詞の後のthatは省略されることが多い
  2. that節の主語が代名詞の場合、thatはしばしば省略される
  3. 受動態の場合や、that節が動詞と離れている場合、that は通例省略されない
  4. that節の前に副詞があると that は省略されない
  5. that節が複数ある場合は、省略しないことが多い
  6. 従属節が there is 構文で始まる場合、通例 that は省略される
  7. 学術的な文章や新聞では that は省略されないことが多い

らいおん

順番に見ていこう!

 

話し言葉で高頻度語の動詞・形容詞の後のthatは省略されることが多い

1つ目のポイントから見ていきましょう。なお、ここから先は、ウィズダム英和辞典・ジーニアス英和辞典・オーレックス英和辞典などを引用しながら解説します。

まず、ウィズダム英和辞典によると、以下の記述があります。

  • 【くだけた会話】では動詞・形容詞の後の that は通例省略される
  • 【話し言葉】で非常によく用いられる think, say, know, see などの動詞 sure, afraid, sorry, glad, aware などの形容詞の後で特に省略される
think that, say that, I’m sure that, I’m afraid that などの that は話し言葉などでは省略される傾向があるというのは、感覚的にもその通りだと感じるね!

ひよこ

 

that節の主語が代名詞の場合、thatはしばしば省略される

次に2つ目のポイントです。ウィズダム英和辞典には、

that 節の主語が代名詞の場合、後に続く要素が主格であることが明らかとなるので、that はしばしば省略される

という記述もあります。

つまり、例えば、

… that he was…

のように代名詞が that節の主語になっている時は省略されることも多いようです。

 

受動態の場合や、that節が動詞と離れている場合、that は通例省略されない

次に3つ目のポイントです。ウィズダム英和辞典では、

主節の動詞が受け身であったり、that節が動詞と離れている場合、that は通例省略されない

という記述があります。

よって、以下の文は本記事冒頭で紹介した英文ですが、受け身が使われており、ウィズダム英和辞典にはこの文の「that は通例省略されない」とあります。

I was told that the problem was settled.

 

その問題は決着済みだと聞いていた。

また、以下の英文はthat節が動詞と離れている例です。

Marty was telling us, I think, that we should look for the girl.

 

マーティーはその少女を捜した方がいいと言っていたと思う。

telling us の後に I think が挿入されていて、that節が動詞と離れているということだね!

ひよこ

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同様に、ジーニアス英和辞典でも、

that は主節と従属節の境界を明確にする働きをする。したがって、主節の動詞と従属節が離れている時は通例省略されない

 

He knew, I guess, that she was married.

 

彼女が着込んだということを彼は知っていたと思う。

という記述があり、knew という動詞とthatが離れているため省略されていないことが分かります。

 

that節の前に副詞があると that は省略されない

続いて4つ目のポイントにいきましょう。オーレックス英和辞典では、以下の解説があります。

that 節の前に副詞などが入ると that はふつう省略しない

 

I told him yesterday that I was going home.

私は帰郷するつもりだと昨日彼に言った

らいおん

この文は本記事の冒頭で紹介した文だけど、yesterdayという副詞が that節の前にあるので、that は普通省略されないということだね!
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that節が複数ある場合は、省略しないことが多い

5つ目のポイントです。このポイントは盲点となっている学習者も多い印象ですが、

that節が複数ある場合には、誤解を避けるために省略しないことが多い

 

People used to think (that) the earth was flat and that ships would fall off the edge when they reached the horizon.

 

2番目の that は think に続く節であることを明確にするので通例省かない

とウィズダム英和辞典に解説があります。

that節を連続して使う場合、2つ目などに thatを入れていない学習者は多い気がするよ!

ひよこ

らいおん

省略しない方が分かりやすくなるので that は省略しない方が無難だね!

 

従属節が there is 構文で始まる場合、通例 that は省略される

6つ目のポイントです。ジーニアス英和辞典では、

従属節が there is 構文で始まる場合は、そこから従属節が始まることが明らかなので通例 that は省略される

 

I don’t think (that) there’ll be time to visit the museum.

 

博物館へ行く時間はないと思う。

という補足もあり、いわゆる there構文などが続く場合は that が省略されることも多いようです。

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学術的な文章や新聞での that の省略

7つ目のポイントです。ウィズダム英和辞典には、

  • 学術的な文章で that が省略されることは【まれ】
  • 新聞では that が省略されることよりも用いられることの方が2倍以上多い

とあり、学術的な文章や新聞では that はあまり省略されないようです。

 

文語で使われる動詞はthatを省略しないことが多い

また、江口泰一郎著「改訂三版英文法解説」P. 381には以下の解説があります。「文語でよく使われる動詞は that を省略しないことが多い」という点も覚えておくといいでしょう。

口語か文語かの相違にもよるが、一般に that-節が、say, tell, think, suppose, hope, remember, know, wishなどの日常的な動詞の目的語になるときは、that は省略されることが多い。

 

反対に、admit, announce, inform, maintain, realize, suggest など、文語でよく使われる動詞の場合は省略されないのが普通である。

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that 省略によるニュアンスの違い

さて、ここまで英語学習者なら覚えておきたい7つのポイントを見てきました。最後に、that を省略しない時と省略した時のニュアンスの違いを確認しましょう。

ジーニアス英和辞典では、

that節で述べられている内容に客観的な根拠がある場合には that は省略されず根拠がなく主観的な、あるいは感情的な発言の場合には that が省略される傾向がある。

という記述があり、以下の例を挙げています。

例えば、熟慮を伴うことの多い書き言葉」では、

 

1 I think that John is right.

 

と表現されることが多く、「とっさに発言することの多い話し言葉」では、

 

2 I think John is right.

 

と表現されることが多い。2では、

 

3 John is right, I think.

 

のような I think の後置も可能

 

まとめ:接続詞 that の省略

お疲れ様でした。接続詞 that の省略の7つのポイントをもう一度整理すると以下のようになります。

接続詞thatの省略の見分け方:傾向とルール
  1. 話し言葉で高頻度語の動詞・形容詞の後のthatは省略されることが多い
  2. that節の主語が代名詞の場合、thatはしばしば省略される
  3. 受動態の場合や、that節が動詞と離れている場合、that は通例省略されない
  4. that節の前に副詞があると that は省略されない
  5. that節が複数ある場合は、省略しないことが多い
  6. 従属節が there is 構文で始まる場合、通例 that は省略される
  7. 学術的な文章や新聞では that は省略されないことが多い

 

「同格の that」や「so that構文の that」の省略

補足ですが、接続詞 that には様々な用法があり、他にも「同格の that」の省略や「so that構文の that」の省略などもあります。本記事で扱えなかったその他の接続詞の that の省略については別記事で扱いたいと思います!

 

「〜ということ」を意味する「名詞節を導く接続詞 that」は文頭に使えるか?

あわせて読みたい

また、以下の1と2の英文は「どちらが一般的か?」「ニュアンスの違いはあるか?」などを疑問に思ったことはありませんか?

1 That you study French now is a good idea.

 

2 It is a good idea that you study French now.

以下の記事でポイントを解説しているのでぜひこちらもお読みください

【文頭で使える?】主語になる接続詞 thatの語法:名詞節を導くthat(〜ということ)

 

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