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サラ
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英語のイントネーション4つの基本トーン
この記事では、英語のイントネーション4つの基本トーン=音調(tone)の1つである平坦調 = level を簡単に見ていきます。
以下の記事でも解説していますが、まずは軽くおさらいです。イントネーションは以下の基本の4つのトーンがありました。これをしっかりマスターすることがスタートです。
4つのトーンを矢印で示すと以下のようになります。
- 下降調(fall) ➘
- 上昇調(rise) ➚
- 下降上昇調(fall-rise) ➘➚
- 平坦調(level) →
基本の4トーン「下降調・上昇調・降昇調・平坦調」についてはこちらの記事をご覧ください。【英語のイントネーション】基本の4トーン(音調):下降調・上昇調・降昇調・平坦調
下降調(fall)・上昇調(rise)・下降上昇調(fall-rise)・平坦調(level)
実際に4つの基本トーン=音調(tone)を John という1音節単語で見てみましょう。以下動画でピッチ変化を可視化しているので声の高さがどのように変化しているかが分かるはずです。
- John ➘
- John ➚
- John ➘➚
- John →
John:下降調(fall)・上昇調(rise)・下降上昇調(fall-rise)・平坦調(level)
2音節以上の発話:下降調(fall)・上昇調(rise)・下降上昇調(fall-rise)・平坦調(level)
次に2音節以上の発話でのイントネーション4つの基本トーンを見てみます。以下、Excuse me という2語でのピッチ変化を見てみましょう。
- Excuse me ➘
- Excuse me ➚
- Excuse me ➘➚
- Excuse me →
Excuse me:下降調(fall)・上昇調(rise)・下降上昇調(fall-rise)・平坦調(level)
平坦調を使ったイントネーションの練習:level tone
さて、John と Excuse me で平坦調のおさらいをしたら、もう少し平坦調の練習をしていきましょう。
以下では、
- 「語レベル」で3音節平坦に読み、その後下降調を使う
- 「文レベル」で4音節平坦に読み、その後上昇調を使う
- 「文レベル」で7音節平坦に読み、その後上昇調を使う
という練習をしてみます。
語レベル:3音節平坦に読み、その後下降
まず、mRNAという語で練習します。
mRNまでを全て平坦に読み、その後Aで下降調を使って読んでみます。Aに主要なアクセントがあり、最も目立って聞こえる「核」です。
図でイメージすると以下のようになります。
m R N A
→ → → ➘
mRNA
mRN が平坦に読むのが苦手な人は少しゆっくりめに練習しましょう。
mRNA ゆっくりスピード
平坦にできずに下降調を使ってしまった例
比較として、以下で
m R N A
→ → → ➘
でなく、
m R N A
➘ → → ➘
のように m で下降調を使ってしまった例を聞いてみましょう。以下の音源は、Aを最も目立たせて「核」としては読めていますが、mではっきりと下降してしまっているのが分かるかと思います。
mRNA Rで下降してしまった場合
語レベル:asap
次に、asap という語で練習します。
asaまでを平坦に読み、その後pで下降調を使って読んでみましょう。pに主要なアクセントがあり、最も目立って聞こえる「核」です。
図でイメージすると以下のようになります。
a s a p
→ → → ➘
オックスフォード現代英英辞典の asap を聞いてみましょう。
asap
Oxford Learner’s Dictionariesより
asap
次に、ロングマン現代英英辞典の asap (イギリス英語話者)を聞いてみましょう。
asap
asap
LONGMANより
文レベル:4音節平坦に読み、その後上昇
次は文レベルで複数の音節を平坦に読む練習をしてみましょう。Did you go to class? という文での練習です。
Did you go to を全て平坦に読み、その後 class で上昇調を使って読んでみましょう。class が最も目立って聞こえる「核」としましょう。
図でイメージすると以下のようになります。
Did you go to class?
→ → → → ➚
Did you go to class?: 核までを平坦に読み class で上昇調
Did you go to のみを少しゆっくりめに練習しましょう。
Did you go toを平坦に:ゆっくり
文レベル:7音節平坦に読み、その後上昇
次も文レベルで少し長めの複数音節を平坦に読む練習をしてみましょう。Did you get what he said in class? という文での練習です。
Did you get what he said in の7語(7音節)を全て平坦に読み、その後 class で上昇調を使って読んでみましょう。class が最も目立って聞こえる「核」としましょう。
図でイメージすると以下のようになります。
Did you get what he said in class?
→ → → → → → → ➚
Did you get what he said in class?: 核までを平坦に読み class で上昇調
らいおん
→ → → → → → → ➚
のイントネーションになっていればOKと考えよう!
Did you get what he said in のみを少しゆっくりめに練習しましょう。
Did you get what he said inを平坦に:ゆっくり
長く平坦に読まれている英文のイントネーション
では少し応用ですが、以下の文を聞いてどんなイントネーションになっているかを考えてみましょう。
This morning, as we approach the one year anniversary of the January 6th insurrection,…
Meet the Press (NBC News) のYouTube 2022年1月2日フルエピソードより
- the January 6th insurrection: 2021年1月6日に起こったアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件のこと
- insurrection /ˌɪnsəˈrɛkʃən/: 反乱、暴動
解説
出だしの This morning,ですが morning (の mor)で下降調が使われています。そして、as we approach the one year anniversary of the January 6th の部分はやや長い11語(19音節)ですが一部若干の上下変化はあるもののほぼ平坦に読まれています。そして、insurrection(の-rec-)では下降調が使われています。
図で以下のようにイメージできます。
This morning,
→ ➘
as we approach the one year anniversary
→ → → →
of the January 6th insurrection,…
→ → → ➘
ひよこ
らいおん
Praatでイントネーションを可視化
この記事は Praat というソフトを使ってピッチ変化を可視化しています。ぜひイントネーション学習の参考にしてください。
英語のイントネーション学習の全体像
イントネーションのより詳しい解説は今後YouTubeや本サイトの記事で補足していきますが、以下のYouTube動画でイントネーション学習全体像を動画解説したのでこちらもぜひご覧ください。学習者がイントネーションに関して何を知っておけばよいかを概観しています。
様々な英語のイントネーションを可視化
「イントネーション」カテゴリでイントネーションに関する知識をまだまだ紹介しています。
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発音・音声学書籍リスト
僕が読んでいる発音本・音声学書籍紹介は以下の記事にリストにしてまとめていますので興味がある人はぜひご覧ください。
らいおん