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サラ
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more, moreは副詞だから強勢を受ける?
この記事では more や most が強勢を受けるかどうか、について簡単に書きます。「強勢」とは、簡単に言うと、強く目立って読まれる = 強勢がある、ということです。
副詞は基本的には強勢を受けることが多いですが、more, more はどうでしょうか?
more, most は無強勢が普通?
僕が代表をつとめるオンライン英語スクールらいひよ®では、発音レッスンで生徒さんを見ていると more や most は「必ず強く読まなければいけない」と感じている人が多いように見受けられます。これはおそらく「もっと」「最も」という意味につられて、「意味が強いので more, most は強く読まなければいけない」と思い込んでいる学習者も多いように感じます。
しかし、実際、more, most は必ず強く読まなければいけないということはありません。むしろ強く読まなければいけないのは、基本的にその後の形容詞などのことも多いと言えます。
このことに関して、渡辺和幸著「英語のリズム・イントネーションの指導」によると、
比較級、最上級を表す際に用いられる more, most も無強勢が普通である。しかし、less, least は強勢を受けると考えてよい。
という記述があります。
more, most が弱く読まれる例
以下も「英語のリズム・イントネーションの指導」からの引用です。太字になっている語が強勢を受ける語です。(正確にはその後のアクセントがある音節)
- This book is more interesting than that one.
- It’s the most interesting book I’ve ever read.
- I see him less frequently | than you do.
- This is the least interesting book I’ve ever read. (以上4例 PBK)
らいおん
ひよこ
more, most は普通は強く発音されず第2アクセント程度まで弱く発音される
次に、竹林滋・斎藤弘子著「英語音声学入門」では以下のような記述があります。
…内容語であっても次のような語は文中で第2アクセント程度まで弱く発音される。
- 比較級および最上級を表す more, most は普通は強く発音されない。
- …
more, most が第2アクセント程度で発音される例
以下も「英語音声学入門」の引用です。
- Pléase spéak mòre slówly.
- Máry is the mòst intélligent gírl in our cláss.
らいおん
most が弱く読まれている音声
では実際に most が弱く読まれている音声を聞いてみましょう。
…some of the most…:most が弱く弱く読まれている例
ひよこ
…most rapid…:most が弱く弱く読まれている例
Kathryn A. Whitehead のTEDトーク The tiny balls of fat that could revolutionize medicine より
らいおん
ひよこ
第2アクセント vs 弱アクセントの区別
また、more も mostも「無強勢」とまではいっていないかなという場合も普通にあるので、2つ目の引用をして「第2アクセント程度」くらいになるともしました。
サラ
らいおん
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発音・音声学書籍リスト
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らいおん